この記事は2023年7月に更新しています
【生活保護制度】生活保護を受ける権利
生活保護は憲法に規定されている「生存権」を具現化したもので、「幸福追求権の権利」を保障しています
【メリット】働く事が出来なくても生活が出来る
●生活扶助・・・衣食、光熱水費等の日常の生活費
●住宅扶助・・・家賃、地代(共益費、管理費を除く)、更新料等
●教育扶助・・・子供が小中学校に通うための費用
●医療扶助・・・医療費や通院のための交通費
●出産扶助・・・出産のための費用
●生業扶助・・・高等学校に通うための費用や就職のための費用
●葬祭扶助・・・火葬のための費用
●介護扶助・・・介護保険サービスを利用する際の費用

健康で文化的な最低限度の生活ができます
その他の扶助
毎月の生活保護費の他に臨時的な費用が必要となった場合、一時扶助費として追加の費用を支給します。
原則として事前申請が必要で、決定には見積書や領収書が必要となるため、担当のケースワーカーさんにご相談ください。※住宅を借りるお金もこの一時扶助に含まれます
安定した職業に就いたことにより生活保護を必要としなくなった方に支給する給付金。
生活保護利用中のお子さんが大学や専門学校に進学する際の新生活の準備費用のための給付金。



生活が困難な方には



知っていて貰いたい制度です
【メリット】生活保護で利用できる減免や免除リスト
名目 | 内容 |
都民税、市民税 | 生活保護を受けている方は非課税 |
固定資産税 | 生活保護を受けている方は非課税 |
国民年金保険料 | 生活保護受給期間中は保険料の支払いが免除 |
就学援助 | 小・中学生の校外活動費・修学旅行費など の教育費の支給 |
上下水道の 基本料金免除 | 上下水道の基本料金が免除 |
家庭用有料ごみ処 理袋の減免制度 | 家庭用有料ごみ処理袋の費用が免除 |
粗大ごみの 収集手数料免除 | 粗大ごみの収集手数料が免除 |
保育所保育料 | 生活保護開始以降、保育料が免除 |
住民票の 発行手数料免除 | 住民票の手数料が免除 |
NHK放送受信料 の免除 | NHK の受診料が免除 |
【デメリット】調査がある
生活保護費の不正自給を防ぐ為、生活保護決定には調査が必要になります。
住まいに関する調査
生活状況を確認するため、お住まいの住所の確認や調査を行います。
資産に関する調査
金融機関や、年金事務所等に調査を行います。
扶養義務調査
親族がいても保護を受ける事ができます。ただし、仕送りなどを受取る場合には収入認定が必要です。
特別な事情(DV、虐待、長年疎遠な関係)がある場合は扶養義務調査をしない場合もあります。
【デメリット】資産保有に制限がある
自動車
自動車の保有には一定の制限があります。障害がある為の通院や通勤などに自動車を必要とする場合は保有する事が認められる事があります。
生命保険
貯蓄性の高い生命保険、保険料の高い生命保険については保有が認められない場合があります。
その他
家や土地、高価な貴金属、有価証券等。金銭的な価値があるものは保有に制限がある場合があります。
【デメリット】色々な義務がある
収入の申告義務
アルバイトなどで収入があった場合には役所に申告しなければなりません。
生活保護は最低生活費に足りない部分を補う制度の為、毎月の収入に応じて保護費が調整されます。
給与収入に限らず、年金や手当、遺産相続、物品の売却益、キャッシングなどの借入金も保護費の調整対象になります。
生活上の義務
働くことが出来る人は能力に応じて就労をすすめられます。
ケガや病気によって就労が出来ない場合は、治療を受け、健康の保持、増進に努め、生活の維持向上に努める必要があります。
届出の義務
生活状況に変化があったときは必ず届出をしなければいけません。
・収入があったとき
・世帯の変動
・仕事が決まった時、辞めた時、勤務条件が変わった時など
※なにかしら重要な変更点があった場合はとりあえずケースワーカーさんに報告する事をおすすめします。
指導・指示などに従う義務
生活の維持・向上、保護の目的を達成するために必要な場合、法律に基づいた指導や指示を福祉事務所からされる事があります。この指導や指示に従わない場合、所定の手続きを経た結果、保護の停止や廃止となる可能性もあります。
費用返還
収入に変動があった場合や新たに収入があった場合、保護の金額を再計算するため、支給済みの保護費を返還する必要がある場合があります。
費用徴収
不正受給と判断されると不正受給した全額が徴収され、場合によっては加算金も徴収される可能性もあり。3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に科せられる事もあります。
【生活保護の物件探し】最大のメリット
高額な初期費用を役所に負担して貰える
住宅扶助(一時扶助金)について
福祉事務所から、敷金礼金等の初期費用・引っ越し費用が限度額内で支給されます。
生活保護を受けていないその他の生活困窮者(無職、低所得者など)は、引っ越しをしたくても
金銭的に難しく、そもそも引っ越しが出来ない。という根本的な問題があります。
多くの人が悩む、お部屋探しには高額な初期費用・引越し代が掛かるこの問題を生活保護制度を利用する事で解決する事が出来ます。
お金の問題はシンプルにして、根源的なメリットといっても良いでしょう。
状況に応じて、家具什器費といった、お布団や家具を買う金額も限度額内で役所から支給されます。
【生活保護の物件探し】最大のデメリット
社会的信用の欠如により、選べる物件が少ない
生活保護に対する偏見や差別はお部屋探しにおいても、根強い問題となっています。
このブログでは、何回も例えとしている表現になってしまいますが、物件が100件あるとするならば、およそ80件程が生活保護受給者というだけで断られてしまいます。
大家さんはそれぞれの考えをお持ちですが、一番の理由をまとめると以下になります。
過去にトラブルを起こした人が生活保護受給者だったから。



トラブルの内容にも色々あります。
①家賃滞納の上、夜逃げしてしまった。
→家賃がはいらない上、残った家財などを大家さん側で処分する事になってしまったケース。
②周りに迷惑を掛け、他の入居者が引っ越してしまった。
→トラブルのクレーム処理は大変な上、他の入居者も引っ越してしまう最悪なケース
③お部屋を汚く利用してしまい、原状回復費用に膨大な費用が掛かってしまった。
→※役所は初期費用を出して貰えますが、退去費用や違約金に関しては払って貰えない為。
④お部屋の中で亡くなってしまった。
→役所が対応してくれず、全ての手続きをやることとなってしまった。
これらを一度でも経験してしまった大家さんは「生活保護受給者=トラブルを起こす人」という認識になってしまいます。
なかでも②の理由で断られてしまう事が最近では非常に多くなっており、精神疾患が理由で生活保護を受けている方は、より審査が通りにくくなってしまう。という風潮になってしまっています。
まとめ
「社会的な信用を失いたくない」という思い込みから生活保護をためらってしまう人は多いと思います。
誰しもがお世話になる可能性がある「生活保護制度」は非常に重要な制度です。
今後の生活に見通しが立たない、収入が不安定になり、金銭的にも不安があるなどの理由で生活にお困りの方は、まずはお近くの福祉事務所にご相談下さい。